TUNING 音楽・楽器を楽しむキッカケメーカー

大人の音楽専門TV◆ミュージック・エアが音楽・楽器を楽しむきっかけを提案

ニュース

TUNING HOME > プログレ対談!植松伸夫(作曲家)×岩本晃市郎(雑誌「ストレンジ・デイズ」編集長)後編

プログレ対談!植松伸夫(作曲家)×岩本晃市郎(雑誌「ストレンジ・デイズ」編集長)後編

2011年7月14日更新

このエントリーを含むはてなブックマーク

魅惑のプログレへの入り口として前編ではプログレとの出会い、そしてプログレのアウトラインを語っていただきましたが、後編はよりディープにプログレの魅力に迫ります!

プログレ対談!植松伸夫(作曲家)×岩本晃市郎(雑誌「ストレンジ・デイズ」編集長)後編

植松(以下植):プログレって今の若い人が聴いたらどんな印象持つんでしょうかね?

ー やっぱり難解なんだろうなっていう先入観があるんですよ。

岩本(以下岩):そうそう。みんな難解って言いますよ。

植:難解なものもあるけど、わかりやすのもいっぱいありますよ(笑)

岩:でもね、70年代カウンターカルチャーって、10代の初めだった僕たちには背伸びをした文化なんですよ。僕たちは必ず背伸びをしている。例えば、イエスの「危機」はちょっと哲学的な詞なんですよ。そういうのはよくわからないんだけど、わかろうとする。その難解な部分に楽しみを見出すっていう。

植:今の若い人も絶対反応しますよ!音楽屋が言ってるんだから間違いないですよ!これね、本当におもしろい音楽です。プログレを聴かないなんて、もったいない。

岩:なんで聴かなくなっちゃったんですかね?

植:根性いるからですよ!何回か繰り返して聴かなきゃいけないし(笑)

岩:まぁ、軽くは聴けないですよね。”ながら”の音楽じゃないですね。

植:そうそう。あと、カラオケにないし(笑)

岩:確かにない(笑)BGMとして成立しにずらいっていうのはありますね。だからiPodとか、携帯に入れて歩きながらとかはあまり聴かないです。

植:やっぱステレオの前で聴いちゃいますよね。

岩:プログレってジャケットがよかったんですよ。ジャケット・アートとプログレッシヴ・ロックは、切り離せません。

植:音と絵がばっちり一緒になってる感じですよね。

岩:(アンソニー・フィリップス『ギース&ゴースト』のレコードを見せて)どうですか?

Amazonで購入

Geese & The Ghost
ジェネシスの創設者の一人として知られるアンソニー・フィリップスのソロデビュー作。


植:イギリスの田園地帯。で、音が実際こういう音なんですよね。本当に。素晴らしいですよね、このジャケット。

岩:恋愛のテーマとか、応援ソングみたいな日常的な詩っていうのがないですね。遠い彼方の宇宙か、田園か、あるいは精神世界か。

植:どこかで聞いた言葉で、ロックは元々黒人のブルースをベースにして成り立った音楽だと。でもイギリス人には白人のロックがあってもいいんじゃないか、だからクラシックやトラッドをベースにした自分たちなりのロックを作ろうじゃないかって言ったプログレの人がいるんですよ。それってけっこう重要な言葉だなと思いましたね。

岩:なるほど。プログレで黒人のミュージシャンってあまりいませんね。

植:そうですよね。だからプログレは白人っていう意識が強いんじゃないですかね。

岩:プログレはクラシックをベースにした白人の音楽ですよ。ある意味、中産階級的なんですね。パンクはイギリスの政治状況があって、植民地を解放して植民地から人がいっぱい入ってきてイギリスの若者は職がなくなっちゃたわけですよ。そういう時代に、感情的にアンチテーゼとして爆発させたのがパンクというふうに言われている。

植:うんうん。そうですね。

岩:クラシックの素養を持った人が多いですね。だからプログレッシヴ・ロックはロックじゃないんじゃないか!!ってよく言われるんですよ。そういう時は、”ロックじゃないよ”って言いますけどね(笑)

植:(笑)プログレッシヴ”ロック”って言ったからややこしいことになちゃったんですよね。プログレッシヴ”ミュージック”って言ってればずいぶん違ったのかもしれないけど。

プログレにおけるクラシックの影響

岩:プログレはね、ほとんどがイギリス。ビートルズがやり残した続きをやるっていうビート・バンドがそこでプログレになっていった。それで、他の国の人たちがそれを見ながら、あ、イギリスでこんなことが起こってるんだと思った。クリムゾン聴いてプログレをやろうと思ったイタリアのバンドもたくさんいるんだけど、素養として元々クラシックなんですよ。だから小さいころから教会に行ってオルガン弾いたりとかそういうのがロックになっていくから、だから手グセがどこかバッハとか(笑)それで妙にクラシックとロックが混ざちゃったんでしょうね。それと逆を言うとね、僕も子供のころクラシックを聴いてたんですよ。だけどプログレ聴いたあとにクラシック聴けないんですよ。リズムのないクラシックってね、ダメなんですね。

植:なるほどなるほど。リズムを動かしていく楽器が重要ですよね。バンドの音楽って。それがオーケストラってポコっと抜けちゃってるから、低いほうでリズムをぐいぐい引っ張っていく感じはオーケストラに望むべくもないというか。

岩:クラシックにも、みんなで弦を弾くによってリズムを作るっていうのはあるんです。ただ叩くのと弾くのとでは違うというか、何となく僕が子供のころ聴いてたクラシックの好きなものと、ロック的な好きなものがちょうど合わさった、いいとこどりをしてくれたのがプログレだったんですよ。

植:いやー、どれ聴いてもおもしろいですよ。

岩:色褪せないですよね。30〜40年経ってますけどね。なんでだろう。我々だけでしょうかね?そんなことないですよね?

《2/5ページ:プログレとファンタジー》

1 2 3 4 5 次へ

トラックバックURL

コメント

コメントをどうぞ