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コーチェラの歩き方〜 ③ライヴレポート

2011年5月6日更新

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コーチェラレポート最終回はアーティストのライヴレポートをお届け。ブッキングの特徴や、アメリカのフェスならではパフォーマンスなどをレポートします。

コーチェラの歩き方〜 ③ライヴレポート

全3回に渡るコーチェラのロングレポートも、今回で最後です。最終回は、いよいよ、各アーティストのパフォーマンス、そしてコーチェラのブッキングの特徴に触れて行きます。どうしても、フェスティバルでは物理的に全てのアーティストを観ることは不可能ですので、現地に行った人間が僕1人である以上、僕が観ることが出来たアーティストだけになってしまうのですが、そこはご了承下さい。

各アーティストのパフォーマンスに触れる前に、僕の考えるコーチェラフェスティバルのブッキングの大きな特徴を書いておくと、それは「見事な守備範囲の広さ」です。

コーチェラは、基本アメリカのフェスですので、目玉として起用されるのは、当然アメリカで人気があるミュージシャンが中心になります。なので、日本やUKのフェスティバルでは、残念ながら後手後手に回ってしまっている感のある、ラップ・HIP-HOP系のアーティストが、他に類を見ない数ブッキングされています。具体的に上げると、今年はミス・ローリン・ヒル、エリカ・バドゥ、ナズ&ダミアン・マーリィ、シー・ロ・グリーン、そしてクロージング・ヘッドライナーとしてカニエ・ウエストが名前を連ねていました。JAY-Z&スティーヴィー・ワンダーをヘッドライナーに配した昨年のサマーソニックが集客に苦戦を強いられたり、同じくJAY-Zをヘッドライナーにした年のグラストンベリーが珍しくチケットを余らせたり、日本とUKではどうしてもフェスティバルというと「目玉はギターロック」になりがちですが、流石は本場US。そんな先入観は主催者、観客ともに微塵もありません。「ナズが一番みてーんだよ!」という声も、いろんなところで聞きました。

そして、アメリカのフェスでありながら、実はコーチェラはとてもUKのアーティスト、特にニュー・ウェーブ期のアーティストを大事にしているフェスティバルでもあります。もちろんアメリカで人気があるから出来た訳ですが、過去にはデペッシュ・モードをヘッドライナーに迎えたこともありましたし、今年もスウェード、ワイアー、PJハーヴェイの様な再結成・ベテラン組。ケリ、ハーツ、そしてPLAN Bの様な半ばアイドルの様なアーティストまで、幅広く迎え入れ、ブッキングを組んでいました。日本ではUKのアーティストは快く迎え入れられる傾向にありますが、USでは苦戦するバンドが多いため、どうしても他のフェスやイベントではUKのミュージシャンはチャンスをもらうことが出来ません。なので、UKのミュージシャンからしても、これはアメリカ制覇のための大事な大事なチャンスの一つなのです。詳しくは後述しますが、僕の個人的なテーマは、「UKのアーティストがどのくらい通用するのか?を見極める」、ズバリこれでした。そんな意地悪な見方をすることも可能なほど、UKからも来ています。「どっちかっていうとUK」という、日本の音楽ファンも数多くいらっしゃると思いますが、そういう方もUK目当てで充分楽しめるブッキングです。

レイブ系も豊富です。全7ステージある中で、クラブミュージックはその内の実に3つを占めています。そら、多少小ぢんまりはしていますが、それでも3つです。フェス会場は大体正午開場、0時閉幕なので、夜更かしが出来ないのはパーティー・ピーポーにとって玉に瑕(きず)かもしれませんが、まぁ昼間からトぶのもいいもんですよ。DJ陣も、マグネティック・マン、ポール・ヴァン・ダイク、スティーヴ・アンジェロ、そして日本からもDJケンタロウが参加と流石の豪華な布陣。「レイヴレイヴ」したDJが苦手な人のためにも、デイデラスの様なそこまで固めの音で攻めてくるワケじゃないDJもちゃんと配備されていますし、あのケミカル・ブラザーズも初日のクロージングで登場しています。

もう一つ、これはコーチェラ、というかカリフォルニアの特徴の一つと表現することが出来ますが、メキシコ人やヒスパニックの人が多いため、ラテン音楽やメキシコの人気バンドが毎年それなりの数ブッキングされています。今年もCaifanesという、メキシコのサザンオールスターズの様なバンドが何年かぶりにコーチェラのために再結成したそうで、膨大な数のメキシカン達がスペイン語で大合唱していました。

当然、アメリカの人気ロックバンドも、カリフォルニアらしく良質のインディー・バンドも、どちらも数多く出演しています。

と、まぁこの様に、「日本の音楽しか聴かない」というナチュラル・ボーンで鎖国状態な人や、「ワールド・ミュージックしか聴かない」「クラシックしか・・・」「JAZZしか・・・」という偏屈な人(失礼!)以外、普通に欧米のポップシーンやクラブシーンを愛する人間であれば、よっぽどのことがない限り、音楽的にも充実した三日間を過ごすことが出来るはずです。

《2/5ページ:UKのアーティストはアメリカで通用するのか》

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